mayu’s diary

感じたままを、ありのままに、正直に。

思わぬ落とし穴。

ヴィパッサナーでわたしが奉仕者をしたときに、生徒として参加していたシータル。

コース中は聖なる沈黙が守られ、基本的には会話ができない。

そんな中、ある日の夜突然シータルが「あなたにいくつか質問したいことがある。コースが終わったらわたしに会って」とわたしに話しかけてきた。

 

そしてコースが終わってから、質問はなんだったのか聞いてみると、(○:シータル、 *:わたし)

 

○あなたはインドの伝統的な文化知ってる?

*や、全然知ってないと思う。

 

○インドでは結婚したら女性は必ず旦那さんの家に行かなきゃならない。そして旦那さん以外の人と会ったり遊んだりすることができない。日本でもそうなの?

*いや、日本では結婚したとしても、女性が男の人の家に行くことは絶対ではない。むしろ、今はいろんなカタチが増えてるし、別居しながらいい関係だったりするし、それはその人たち次第。選択肢がある。旦那さん以外のひとと関わっちゃいけないとかもない。

(シータルは興味深そうな反応と表情をしていた)

 

○インドでは結婚したら子供を産んで、死ぬまで家の仕事をして終わる。わたしはそんな人生はいやだ。だからわたしは結婚をしたくない。

 

 

そんな会話をした。

 

シータルは、1人で生きていく際の重要なアイテムになると思ってヴィパッサナーの参加を決めたとのことだった。

 

『わたしは全ての現実を受け入れると決めた。自分にどんな不幸なことがあっても、他の人にどんな幸福があっても、嘆いたりしない。』と。

1人で生きると決め、すべての現実を受け入れると、そう力強く語るシータルの姿は、すごくかっこよかった。

 

去年、フィリピンで出会ったひとりの女性は、

泣きながら私にこう言ったことがある。

 

「わたしはこれがしたいと思ってもできない。どうすることもできない。日本に生まれたあなたは本当にラッキーなのよ。もし選べるのであればわたしも日本に生まれたかった。いまの現実はもうどうしようもない。」

と。絶望感を抱えていた。その人の目から流れる涙はわたしの心をきゅーっと、締め付けた。

 

この、ただ生まれ落ちた国が違うというだけで、自動的に生まれる違い、格差。

 

そんなのは違うと

そんなことを思っても意味がないと

わかっていながらも感じてしまった

「日本人に生まれ落ちたことの申し訳なさ」

 

今はもう、日本人「だからこそ」

やれることがあると思えているけれど、

 

シータルのように、

生まれた国、親、環境、すべての現実を受け入れて絶望や悲観することなく、覚悟を決めて生きること、それってそうそう出来ることじゃないなあと感じた。

 

 

インドではカーストがまだ残っていて、

輪廻転生も信じられているらしい。

 

低いカーストに生まれたものは、

その身分相応に、外れたことをせずに生きていくようにと教えられる。その今いるカーストで、堅実に生きることができたなら、次生まれ変わったときに、今より上のカーストに生まれ落ちることができる、と。

 

 

シータルは村の出身でありながら、親の協力のもと、大学院まで通っている。英語を教える仕事をしたいと思っていて、今は大学院で英語を学びながら、病院で働いている。

 

インド人女性はみな髪を伸ばす中、

シータルはショートカットにしている。

 

インドのなかではノースリーブはあまり良くないとされているなか、ノースリーブが大好きなんだと言い、ノースリーブを着ている。

 

親は、宗教に属しているが、

強制はされなかったため、シータルはなんの宗教にも入っていない。

 

親はノンベジで肉などを食べるが、

シータルはベジタリアン

 

きっと、この今のインドにおいて、シータルの1つ1つの選択は、すごく勇気のいる選択なんだと思った。

 

世の中で当たり前とされてること、

一般的、大多数の人が歩むレール

そこから外れて、自分の軸を信じて生きると決めること。

 

きっと、わたしが大学を辞めた時と同じ勇気をシータルは出したんだなと。

 

ここ、インドに来て予想外な落とし穴があった。

それは人々がみな、学歴だとか職業だとか、親のやってる仕事だとか、そういうものにすごく意識のフォーカスがいっている、ということ。

 

わたしが日本で手放した『学歴』

それがここインドではめちゃめちゃ重要視されてる。

 

『educated 』かどうか、その物差しがすごく強い。

 

些細な挨拶から始まる会話で必ず聞かれる。

学生なのか働いてるのか。

なんの勉強しているのか、なんの仕事をしているのか。

親は何の仕事をしているのか。

 

「君はなんのプロフェッショナルだ?」

そんな聞かれ方もよくする。

 

わたしにはなんのプロフェッショナルもない。

社会に出て働いたこともない。

わざわざ入った大学も辞めて学歴もない。

 

そんなわたしは

脱いでいくんだと決めたインドで

逆にどんどん着ていってしまった。

 

会話のスムーズさや

インド人の反応などを気にしたわたしは

最初はめんどくさくて

Student だと嘘をついたりもしていた。

 

でもやっぱり、そんなんじゃ、

《純粋な対ひと》とのやりとりはできないんだよね。

 

それに気づいてからは、

大学を辞めたんだと伝えるようにした。

なぜ?と聞かれる。Boring だったからだと答える。

 

ほんとうは、

世界を旅して、様々なひとと出会って

自分の価値観が揺らぎ、

「ほんとうの自分」に気付いて

これまでとは違う道を勇気を出して選んだ

 

っていう、そこにわたしの真ん中があるのに、それを言葉を尽くして目の前の人に説明をしようとしない自分。

 

いまのインドの人たちには理解されないんじゃないか、とか

そんなことを説明できる英語力はわたしにはない、だとか

あーだこーだ、自分の頭の中に言い訳を作ってた。

 

そしてもう1つ、

まだちょー根っこでは、

許しきれていない、認めきれていない自分がいる。

 

大学を辞めたということに。

 

そして両親の仕事を聞かれるときもどこか抵抗感というか嫌悪感が生まれる。

 

わたしの父は高卒で、自営業の水回りの会社。

お母さんは中卒で今はバスの運転手。

 

わたしの両親は『educated』ではない。

そんな偏見を自分の中に自分で持ってる。

 

自分のことも親のことも

心の底の底の底から、許して認めていたなら、

誰の前でも堂々と、ほんとうのことを、話せるはず。

 

そんなことに気付いた。

 

怖がらないで、自分のありのままを出していこうよ。

怖がらないで、正直に自分を出していこうよ。

 

そう思った。

 

思わぬインドの落とし穴に、

裸にならず、嘘をつき、

傷つかないための鎧を着て過ごした時間。

それは窮屈で冷たい世界をわたしにみせる。

 

それはわたしのやりたいことではない。

真逆のことをしてしまっていた。

 

もうこれからはちゃんと、

正直に、ありのままに、人と関わりたい。

 

その結果

誰にどんな反応をされようと、

どんな言葉をもらおうと、

 

自分の中に濁りを生むことの方がよっぽど怖いことなんだ。なにかが蝕まれる。なにかで自分の真ん中が覆われていってしまう。

 

そんなことに気付いた。

 

 

そして予期せぬ流れで、このシータルの村へ私たちが行くことになった。

 

ヴィパッサナー1ヶ月が終わったあと、

Igatpuri から電車でArangabad へ行こうとしたら、おじさんたちに「電車では無理だ。バスでNashik まで行ってそっからArangabad へ行け」と言われ、当初予定していなかったNashik という街へ行くことになった。

 

『あれ、そういえばシータルの家、Nashik って言ってたよなあ。うちに泊まらせてもらえるか聞いてみよう』

そう思って連絡をしてみたのがすべての始まりだった。

 

とんとんと話が進み、すべてのことが気持ちいいくらいうまくいき、わたしたちは本当にシータルの村に来れた。

 

この村では初めての外国人、初めての日本人らしく、村では終始、注目の的だった。

 

この村ではみーーーんな家族のようで、

すごくあたたかく、すてきな村だった。

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やっぱりどこの国でも家庭料理が1番だ。

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シータル、ありがとう。出会えてよかった。

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シータルの村での写真を載せて終わりにする。

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